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国際キャッシュカードの比較・検証

各社国際キャッシュカードの発行手数料と出金手数料の比較と有用性の検証。

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国際キャッシュカード

1990年代〜2000年代前半にかけて主要銀行が提供していた国際キャッシュカードサービスは、2010年以降順次サービス終了となりました。2021年1月現在、主要各行は代替サービスとして、国際デビットカードを発行しています。 

 

国際キャッシュカードインターナショナルキャッシュカード)は、国内では通常のキャッシュカードとして利用でき、国外では、提携先ATM(PLUSもしくはCIRRUS)から現地通貨換算での残高照会ならびに現地通貨での引き出しできるというものです。

※シティバンクを除いては、発行元の銀行の海外支店ATMで利用できるわけではありません。

海外旅行で利用する場合、クレジットカードの海外キャッシングの方が原則的には換金レートでも安全面でも有利なのですが、インタナショナルキャッシュカードには、もう一つの便利な使い方があります。

それは、留学など海外長期滞在する場合(※)です。

※三菱UFJ銀行のインターナショナルカードは、長期滞在での利用を禁止しています。

クレジットカードの海外キャッシングの利用枠は通常10〜30万円(学生用カードは3〜5万円)程度に制限されているため、海外でまとまった額のお金を定期的に必要とする場合には、クレジットカードによる海外キャッシングでは利用枠上限の問題があります。

※異なるカード会社が発行するクレジットカードを複数枚もつことで海外キャッシングのトータルの上限をアップさせるという裏技もあります。

一方、日本から海外へお金を定期的に送金してもらうために、現地の銀行口座を開設した上で、さらに数千円の手数料をかけて振り込んでもらうか、マネーオーダーを送ってもらうというのも、大変面倒かつ手数料もかかってしまいます。

ところが、インターナショナルキャッシュカードならば、日本の口座へ振り込んでもらうだけで、月間の出金上限なしに(一日当たりの上限はあります)現地通貨を引き出すことができるため便利なのです。

国際キャッシュカードと似たものとして、シティバンク発行のワールドキャッシュカードやJTB発行Money Tがあります。
これらは、海外ATMでのみ通貨引き出しができ、国内ATMでは利用できません。なお、有効期限が設けられているため、再発行するたびにカード発行手数料を支払わなければならないのが短所です。

●1日当りの出金限度額

インターナショナルキャッシュカード、およびクレジットカードの海外キャッシングの出金限度額は、出金の際に利用するATMの定める一日当りの出金限度額に依存します。海外のATMは「各銀行ごと」に1日当りの出金額が通常500ドル程度、あるいはそれ以下に設定されています。

つまり、インターナショナルキャッシュカードや海外キャッシングの出金限度額が10万円超であったとしても、実際のところ、「一枚のカード」を使って、「現地の一つの銀行のATM」で一日当たりに出金できる金額はそれ未満となります。

高額を出金するには

複数の異なる銀行のATMをハシゴして出金することで、最大で、カードが定める一日当たりの上限額(10万円まで出金することが可能です。
なお、2006年10月1日以降、多くの銀行が一日あたりの出金限度額を引き下げています(下表参照)。より高額な出金を必要とされる場合は、クレジットカードの海外キャッシングを併用することで対処できます。

●紛失・盗難のトラブル

多くのインターナショナルキャッシュカードはJTBトラベルデスク(海外20カ国40都市)と提携しており、インフォーメーションサービス、各種予約サービス、緊急カード再発行サービスなどをクレジットカードに準じたサービスを受けることができます。

ただし、クレジットカードは紛失・盗難時の緊急ダイヤルが原則無料かつ盗難保険付帯(暗証番号取引であるキャッシング損害が対象外)であるのに対して、インターナショナルキャッシュカードには、盗難不正利用の補償制度がなかったり、緊急ダイヤルが有料の場合がありますので、注意が必要です。

スルガ銀行VISAデビットカードに注目!

2007年以降、管理人が最も注目しているのは、スルガ銀行が発行するVISAデビット機能付き国際キャッシュカード「SURUGA VISAデビットカード」です。このカードは、大手銀行の既存の国際キャッシュカードやJTBグローバルキャッシュの短所を補うサービスを備えている上、出金レートでも、高額引き出しなら、クレジットカードの海外キャッシングより有利になる場合もあります。

さらに、スルガ銀行インターネット支店(ANA(エーエヌエー)支店ネットバンク支店)なら、ネット銀行ならではのATM手数料優遇サービスや特別金利をはじめ、支店ごとのオリジナル特典を備えており、一層おトクです。
スルガ銀行が旅行会社と提携発行するHISWorld Cabit(ワールドキャビット)ならびにKnt! Travel Cashもスルガ銀行VISAデビットカードと原則同一サービスを提供しているます。
スルガ銀行VISAデビットカード徹底解説はこちら>>

■SURUGA VISAデビットカードの特徴
1.カード発行手数料無料=年会費無料クレジットカード ≧ 通常の国際キャッシュカード
2.継続手数料無料=年会費無料クレジットカード ≧ 通常の国際キャッシュカード
3.盗難による損害を補償+お買物安心サービス ≧ 通常の年会費無料クレジットカード
4.出金限度額=通常の国際キャッシュカード ≫ クレジットカードのキャッシング利用枠
5.クレジットカードのキャッシング ≧ 出金レート(引き出し額の0.2%をキャッシュバック) > 通常の国際キャッシュカード
6.デビット機能によるショッピング可=クレジットカード
7.会員基準は15歳以上(中学生を除く)審査なし ≫ クレジットカードの入会基準は18歳以上
8.ショッピング利用分キャッシュバック0.2% < クレジットカードは0.5〜1.5%還元

主要銀行のインターナショナルキャッシュカード比較

発行元
発行手数料
提携網 換算レート 1日当りの
出金限度*1
出金
手数料
(税込)
残高照会
手数料
(税込)
継続
手数料
(税込)
注意事項
紛失・盗難時の連絡先など
三井住友銀行の国際キャッシュカード
1,000円(税別)
2018年3月31日をもってサービス終了
PLUS VISA/PLUSの定めるレートに3%5%を加算 20万円 200円100円 100円
50円
無料
※無期限
JTBトラベルデスク
2018年3月31日をもってサービス終了
三菱UFJ銀行インターナショナルカード*2
平成28年2月13日にサービス終了
VISA/PLUSの定めるレートに3%5%を加算 10万円 200円105円 無料 無料 ・JTBトラベルデスク
・三菱UFJ銀行
インターナショナル
カードデスク
(フリーダイヤル)
新生銀行
無料
2018年12月8日より海外ATMは利用不可
VISA/PLUSの定めるレートに4%を上乗せ 10万円 無料 無料 無料
※無期限
トラブル時は日本
へ有料ダイヤル
みずほインターナショナルキャッシュカード
2014年2月28日より海外ATMは利用不可
CIRRUS シーラス接続手数料1.0%+Master所定のレートで米ドルに換算し、[公示仲値+4円]で円換算 20万円上限
1万円単位
で設定可能
210円 無料 無料
※無期限
JTBトラベルデスク
JTBグローバル
キャッシュ

1,100円(税込)
2010年3月31日をもって新規発行は終了
CIRRUS MasterCardの定めるレートに1ドル4円を加算 50万円 200円 100円 有効期限
5年間
銀行口座開設なし
で利用可。
国内利用不可
JTBトラベルデスク
JTB海外送金サービス
Money T

入会金2,200円(税込)
年会費1,100円(税込)
MasterCardの定めるレートに1ドル4円を加算
+振込金額の2%(上限2,000円)
30万円 200円 100円 有効期限
1年間
トラブル時は日本へ有料ダイヤル
Master Card キャッシュパスポート MasterCard
CIRRUS
入金手数料1%+MasterCardの定めるレートに4%上乗せ
(日本円建ての場合)
15万円 150円 - 最大5年有効 銀行口座不要。ATMでの出金の他、MasterCardデビットカードとしても利用可
緊急アシスタンスデスク(フリーダイヤル)
スルガ銀行
VISAデビットカード

無料
※再発行は1,100円(税込)、家族カードの発行手数料は550円(税込)
VISA/PLUS VISAの定めるレートに3.0%を上乗せ。
ただし、年間利用額の0.2%は翌年1月中にキャッシュバックされます
口座所有者
が自由に設定
220円 無料 無料
※無期限
海外利用可の
VISAブランドのデ
ビット機能付き。
15歳から申込可
グローバルアシスタ
ントサービス
HISWorld Cabit
(ワールドキャビット)

無料
Knt! Travel Cash
無料

*1 「1日あたり」とは、日本時間における0:00〜24:00をさします。
*2 旧東京三菱店および旧UFJ店のインターナショナルカードは、新規受付を終了していますが、すでに発行済みのカードはそのまま利用可能です。
*3 みずほマイレージクラブにご入会のお客さまは無料。
*4 2006年11月10日をもって、新規受付は終了。すでに発行済みのカードは、そのまま利用可能。
*5 米ドル以外の通貨は、提携機関が定めたレートで米ドルに換算された金額に上記レートを上乗せ。
*7 海外19カ国35都市にあるトラベルデスクでは、インフォーメーションサービス、各種予約サービス、緊急カード再発行サービス(滞在先ホテルやオフィスへ最短24時間でお届け、再発行手数料2,000円)

注意】ブラジルでPLUS対応ATMで残高照会した場合、必ずしも現地通貨に対応した残高は表示されないようです。例えば日本の口座残高10万円ならば、現地通貨ではR$1800相当であるにもかかわらず、残高はR$1000と表示される。ただし、実際の引き落としにおいては問題はありません。

予備知識

追加接続料について

インターナショナルキャッシュカードでの引き出しは、渡航先のATMによっては追加接続料をとられる場合があります。

たとえば、ブラジルの場合、銀行設置のATMでは、追加接続料がとられたことはありません。ところが、バスターミナルなどに設置されている、現地の複数の銀行カードを一括して扱う特殊なATMでは、追加接続料(たしか一回1ドル程度だったような)がかかるという画面表示が出ます。

また、おそらく銀行設置ATMであっても、かなりの接続手数用を取られるような国もあるようです。
例えば、タイはそうらしいです(チェンマイ雑記帳)。

クレジットカード一体型キャッシュカードについて

大手都市銀行では、通常のキャッシュカードと同系列会社発行のクレジットカードを1枚のカードとして発行するサービスを行っています。(例えば、三井住友銀行のキャッシュカードと三井住友カードの機能が一つになったワンダーカード)

キャッシュカードとクレジットカードが一つにまとまると、その分管理するカードが1枚減るので便利だと思うのですが、国際キャッシュカードの機能とクレジットカードを一つにすることはできないようです。

私個人の話ですが、少なくとも三井住友銀行では、「ワンダーカードを発行するなら、お手持ちの国際キャッシュカードを廃棄した上で、ワンダーカード発行の手続きを取ってください。」とのことでした。
せっかく、1,100円(税込)支払って作った国際キャッシュカードを廃棄しなければならないのではメリットが少ないと思いましたので、結局、ワンダーカードへの切り替えはあきらめたという経緯があります。

#クレジットカードの海外キャッシングの方が、通常は国際キャッシュカードよりも換金手数料が安く済む(参照:現地ATMの利用)ということが分かりましたので、クレジット機能付きキャッシュカードがあれば、もう国際キャッシュカードを持ち続ける必要もないわけですが。

さて、この一体カードには、一つ厄介な問題が付いてきます。現在の自分のライフスタイルにあったカードに作り直したいという場合です。

例えば、私個人は、郵貯《セゾン》VISAカードを持っていましたが、《セゾン》カードを解約するには、郵便局の方にも郵貯セゾンカードの解約手続きと郵貯キャッシュカードの発行手続きをしなければなりませんでした。

結局、面倒なのと、年会費無料なのでもっていて損することはないことから、同カードは、10年以上所持し続けました。(現在は、《セゾン》NEXTカードとゆうちょ銀行キャッシュカードとの2枚別々に所有しています。)

これが、年会費有料のカードで、絶対に解約したいという場合であれば、面倒なので銀行口座ごと解約してしまっていたかもしれません。銀行の場合、国際キャッシュカードの再発行にも手数料を取られますし。

結論

海外旅行のためにわざわざ発行手数料まで支払って国際キャッシュカードを作るよりは、海外旅行保険付無料クレジットカードを作るほうがオトクです。

※発行手数料なし、出金枠なし、出金レートよしのSURUGA VISAデビットカードは作る価値が大いにありそうです。(2007年7月追記)

クレジットカードによっては、発行手数料を支払うどころか、かえってギフトカードまでもらえるキャンペーンをやっているぐらいですので。

次ページでは、ライフスタイル別に、海外旅行保険付クレジットカードの選び方をみていきます。(「クレジットカード比較の達人」のセクションが開きます。)

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最終更新:2021年1月12日

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