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現地ATMの利用(海外キャッシング)
トラベラーズ・チェックがあまり流通していない地域への渡航では、現地空港やショッピングセンター、銀行などに設置されているATMでの現地通貨引き出しが便利です。
現地ATMからの現地通貨引き出し手段には、
- クレジットカードの海外キャッシングサービス (換金手数料:キャッシング利息を日割計算)
- 国際キャッシュカード (換金手数料:国際レートに3〜4%上乗せ)
- スルガVISAデビットカード (換金手数料:国際レートに1.63%上乗せ+出金の都度210円)
の三つがあります。
いずれの場合も、所有しているカードの提携ブランド対応ATMから、現地通貨を引き出すことができます。
※PLUS(プラス)、Cirrus(シーラス)と読みます。
ダイナースクラブ提携カードは、世界100ヵ国50万台以上のPulse(パルス)ロゴマークまたはDiners ClubロゴマークのあるATMで海外キャッシングサービスを利用できます。
●現地ATMからの現地通貨引き出しのメリット
- 必要に応じてその都度引き出せるため、多額の現金を持ち歩く必要がなく安全
- 対応ATM設置台数が多くて便利*1。たとえば両替所のないローカルな空港にも対応ATMはあることがほとんど。
- 換金しすぎてしまうことがないので、帰国時に現地通貨から米ドルや日本円を買い戻す額が少額で済む。つまり買い戻しの換金手数料も少額になる*2。
- 日本円から米ドルやユーロを介して他の現地通貨へ換金する(二重の換金手数料がかかる)場合に比べて、換金手数料が割安。
- 33日未満の旅程の場合、自由払い型カードでのキャッシングの換金手数料はT/Cよりも良い。
*1 クレジットカードによる現地通貨キャッシングは、VISA対応ATM(世界150カ国96万台)/MasterCard対応ATM(世界120カ国90万台)/AMEX対応ATMを、国際キャッシュカードによる現地通貨引き出し・残高照会は、PLUS対応ATM(2005年9月現在、世界165カ国以上約100万台)/CIRRUS対応ATM(2004年12月現在、世界120カ国90万台以上)を利用します。
*2 この点を考慮すると、換金しすぎした際に二重の換金手数料がかかるT/Cよりも、割安になり得ます。
●どのカードによる現地通貨引き出しが有利なのか
クレジットカードの海外キャッシングおよび国際キャッシュカードとでは、手数料面でどちらがより有利ですが、2007年に入り、ほぼ大半のクレジットカードのキャッシング利息が実質年率18.0%に引き下げられたことから、2007年12月現在では、クレジットカードの海外キャッシングは、国際キャッシュカードよりもつねに有利になっています。
詳細をみてみましょう。
一般的に、手数料3%+毎回の引出手数料200円がかかる国際キャッシュカードを利用する場合、たとえば、1ドル=100円のレートで、100ドル引き出すなら手数料は5.0%(引き落し金額10,500円)、1,000ドル引き出すなら手数料は3.2%(引落額103,200円)となります。
一方、クレジットカードのキャッシング利息を実質年率18.0%とすると、カード利用日から最短25日後の口座引落しの場合の利息(換金手数料に相当)は1.23%、最長55日後の引落しで利息2.71%、平均的にみて、40日後の引落で利息1.97%になります。
つまり、クレジットカードの海外キャッシングの翌月一括払いの換金レートは1.23〜2.71%ですから、換金手数料として3%以上かかる国際キャッシングカードよりも、有利であることがわかります。
■SURUGA VISAデビットカード
スルガ銀行が発行するVISAデビット機能付き国際キャッシュカード「SURUGA VISAデビットカード」は、通常の国際キャッシュカードの出金手数料3%よりも大幅に安い1.63%を適用、しかも年間利用額の0.2%キャッシュバックもあるため、クレジットカードの海外キャッシングよりも有利になる場合があります。
海外旅行でのショッピング利用を考慮に入れると、クレジットカードの方が便利だとは思いますが、何十万円単位の引き出しを必要とする場合や、学生や主婦の方でカードを作りたいという方にはオススメです。SURUGA VISAデビットカード詳細解説はこちら>>
●海外キャッシングサービス利用上の注意
クレジットカードの海外キャッシングサービスは、通常、国際キャッシュカードよりも換金レートで有利ですが、一つだけ気をつけておかなければならないのは、クレジットカードの中には、リボ払い専用カードでなくても、海外キャッシングの支払方法がリボルビング払いに自動設定されているカードもあるということです。
リボルビング払いの場合、借り入れ金を提携銀行や郵便局、コンビニなどATMで前倒し返済しない限り、利息が高額になってしまいますので、十分気をつけて下さい。
さて、クレジットカードがその真の威力を発するのはショッピング利用です。「オススメ換金法」ページの換算レートで説明しているように、T/Cを上回るレートの良さに加え、カード利用のポイントもつきます。さらに盗難・紛失のトラブル時にも、クレジットカードなら悪用保険が適用されるのに加え、カードの種類によっては緊急再発行してもらうことも可能であり、万一のときにも安心です。
一般的には、各種トラブル対策のため、海外旅行の際には、2種類のカードを所持していくことが一般的に勧められています。クレジットカードの中には、年会費無料ながら、海外旅行保険がついてくるオトクなカードもありますので、海外渡航の前に、海外旅行向けカードの新規申し込みも検討されるといいと思います。
海外旅行保険付きクレジットカードの選び方はこちら >>
国際キャッシュカード詳細解説はこちら >>
●最近の動向
貸金業法の段階的施行に伴い、キャッシングサービス手数料は、改正の過渡期にあります。
まず、平成18(2006)年12月20日に「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」(2007年12月19日より、「貸金業法」に改称)が公布され、2007年1月より段階施行されています。完全施行(第4条施行)は2010年6月19日までになされます。
同法には、キャッシング金利に関する:
- みなし弁済制度(グレーゾーン金利)の廃止(本体施行から2年半以内)
- 利息制限法所定の制限利率(15%〜20%)と出資法所定の上限利率(20%)の間の金利での貸付けについては、行政処分の対象とする。
という項目が含まれています。
この項目は、同法の第4条施行に属するため、2010年1月現在、まだ効力を発していませんが、クレジットカード各社は、同法の完全施行に先立って、2007年にキャッシング金利を年率18.0%程度に引き下げました。(それまでの業界標準は年率27.8%)
さらに、同法には、上記の金利に関する項目のほか、「過剰貸し付け規制の強化」という項目があります。具体的には、個人の借入総額を、原則、年収等の3分の1までに制限する「総量規制」が始まります。
個人顧客から、新たな貸付けの申し込みを受けた場合、貸金業者は指定信用情報機関が保有する個人信用情報を使用し、他の貸金業者からの借入残高を調査します。
なお、貸金業者は利用者とリボルビング契約を締結した場合、1ヶ月の貸付けの合計額が5万円以上であり、かつ貸付残高が10万円以上の場合、毎月指定信用情 報機関から情報を得て、残高を調べなければなりません。さらに、貸付残高が10万円以上の場合には、3ヶ月以内に一度、指定信用情報機関から情報を得て、残高を調べなければなりません。
また、貸金業者が、自社の貸付残高が50万円を超える貸付けを行う場合、(与信枠が50万円を超える場合も含みます。)あるいは他の貸金業者を含めた総貸付額が 100万円を超える貸付けを行う場合には、収入を明らかにする書類の提出を求めることになります。(貸金業者は、この書類を用いて利用者に貸し付けた場合、年収等の3分の1を超えないか確認します。)
さて、この「総量規制」は、貸金業務のコスト増につながります。そのコスト負担は、これまでカード会社が負担していたATM利用手数料をキャッシング・ローン利用者に請求するという形で返ってくることになるようです。
たとえば、三井住友カード、三菱UFJニコス(MUFGカード、DCカード、ニコスカード、UFJカード)、オリコカードなどは、ATMによりキャッシング利用した場合のATM手数料(利用1回当り、利用金額1万円以下は105円、利用金額1万円超は210円)を会員負担とする旨をリリースしています。
なお、同様の流れは、国際キャッシュカードにも及んでおり、三井住友銀行は、すでに、2009年12月20日より、海外ATM利用の手数料を改定(改悪)しています。国際キャッシュカード詳細解説はこちら≫